オリジナルTシャツを作ろうとSが言い出したために、多忙であったOは困りました。しかし、業者との打ち合わせもスムーズに進み、なんとか事なきを得ました。オリジナルTシャツ騒動がひと段落した時にさりげなくOの上司Fさんは「おしゃれな本屋S」のS社長に尋ねました。「社長、なんでオリジナルTシャツなんか作ろうと思いましたん?」やや、社長に使う言葉遣いとしてはゾンザイな気もしますが、社長とFさんは20年来の付き合いです。社長もFさんの言葉に特にいやな顔をするでもなく「知りたいのん?」と聞きました。オリジナルTシャツを作った理由。「何やろ?」とFさんは思いました。「何ですのん?理由って」とFさんは尋ねます。「いやー、でもこれ他の社員には言ったらあかんで」「いいませんよ」「絶対やで」「絶対に言いません」「約束する?」「約束します」そんな問答を何度か繰り返したのちおもむろに社長は口を開きはじめました。「オリジナルTシャツを作った理由はやな」本当は言いたくて仕方なかったのか、いきなり本題に入りました。Fさんにも、まったく予測はつきませんでした。一体どんな言葉が飛び出すのでしょう。「オリジナルTシャツを作ろうと思った理由はやなぃ何かやなぁ何となくや。経営者のカンってやつやな。これが流行るって思うたんや?」「何じゃそれ」とFさんは言いそうになりました。しかし、たしかに、と思いました。オリジナルTシャツが流行るかもしれません。そうすれば売り上げも変わってくるでしょう。確かにカンがさえているかもしれないと思いました。「おしゃれな本屋S」の社運をかけたオリジナルTシャツプロジェクトはこのようなプロセスを経て実行されるにいたったのです。結果はこれから出ます。うまくいったことを祈って文章を終わりたいと思います。